BRAND STORY
第1章 最初は「自分が欲しかったから」作ったブランド
ANNCLO(アンクロ)は、愛知県新城市にあるトリミングとドッグランのお店「Ann, Kuroda(アンクロダ)」のオリジナルブランドです。現在、売り上げの1%以上を犬の保護活動に寄付する「1% FOR DOGS」という取り組みを行っています。
そんなANNCLOですが、最初から理念や社会的な目的を掲げて始めたブランドではありません。はじまりは、とても個人的な動機です。
ドッグランの店番をしているとき、「せっかくなら犬がデザインされたTシャツを着たい」と思っていました。ただ、探してみると自分が着たいと思えるものにはなかなか出会えませんでした。
「ないなら作ろう」
そんな単純な理由から、最初に作ったのは「売るための商品」ではなく、あくまで「自分のためのTシャツ」でした。
当時はまだブランド名もなく、デザインの中には屋号である「Ann, Kuroda」のサインをそのまま入れていました。
そのTシャツをしばらく愛用していましたが、せっかくなら店番のときだけでなく、普段も着たい。ただ、Tシャツに自分の名字でもある「Kuroda」が入っているのは、少し照れくささもありました。
そこで、屋号を前に出すのではなく、オリジナルブランドという位置づけでモノ作りをしていくことに決めました。
ANNCLOは、誰かに向けて始めたブランドではなく、自分が欲しいと思えるものを形にした結果、生まれたブランドです。この「自分が欲しいかどうか」が、今もANNCLOの判断の基準になっています。
ちなみに、ANNCLOはAnn, Kuroda's clothingの略。「Ann, Kuroda」の略称でもある「アンクロ」という響きが気に入っています。
第2章 ブランドを通じて社会貢献ができるかもしれないと気づいた
ANNCLOを始めた当初、ブランドを通して社会に何かを還元しようなんて意識は、まったくありませんでした。自分の欲しいものを作って、自分が使って、価値観の合う方にも使ってもらえればそれで十分だと考えていました。ただ、正直なところ、途中で迷う時期もありました。「ないなら作ろう」と思って始めたものの、改めて探してみると、犬をモチーフにしたアパレルは思っていたよりたくさんありました。自分がわざわざ作る必要があるのか、という思いも生まれました。
そんな折に、ブランドとしてチャリティー企画をする機会がありました。その際、企画に参加してくださった方から、温かいお礼の手紙をいただきました。そこには「こういった形で応援できたことがうれしかったです」と書かれていました。
その手紙を読んだとき、これまで考えていなかった大切なことに気づきました。
何か応援したい気持ちはあっても、そのきっかけがない場合に、ブランドを通した企画が応援するための一つの「きっかけ」になりうるのだと。あのチャリティー企画は、意図せずその役割を果たしていたのです。
ブランドとしての信頼があれば、応援する側も安心して関わることができる。そうした関係を築ける可能性が、ブランドにはあるのだと感じました。
これからは、ブランドを社会とつながる存在として育てていきたい。そう考えるようになりました。
第3章 なぜ「1% FOR DOGS」という形に行き着いたのか
ブランドを通じて社会貢献ができるかもしれない。そう気づいたものの、実際に何ができるのかは見つけられずにいました。
それでもいくつか大切だと思うことはありました。
小さな力を取りこぼさないこと。長く続けることで、小さな力を積み重ねていくこと。
そして、ブランドを育てながら、その力を徐々に大きくしていくこと。
そのためには、「無理をしないこと」が何より大切だと思いました。
そこで出てきたのが、「1%」という数字です。
仮に、利益のすべてを寄付するような形を選べば、一時的には貢献できるかもしれません。ただ、それでは活動を長く続けることや、ブランド自体を育てていくことが困難になります。
また、「1%」に設定することで、今後同じ取り組みを始めてくださる方が現れやすくなり、長く続けていただけるのではないかという期待もあります。
無理なく続けること。それを最優先にした結果が「1% FOR DOGS」です。
現在は、犬や猫を保護し、譲渡会を続けている「ニャンつって!犬・猫塾」様の活動に支援をさせていただいています。1%という数字は小さいかもしれませんが、新たな家族を待っている犬や猫がいる限り、積み重ねていく意味があると思っています。
第4章 これからANNCLOはどこを目指していくのか
「1% FOR DOGS」はブランドと社会をつなぐ取り組みですが、その先にも見えてきたものがあります。
一番最初にTシャツをつくろうと思い立ったとき、自分で絵を描き、自分でプリントするつもりでした。けれど、それではいつまで経ってもTシャツは完成しないなと思いとどまり、絵を描いてくれる人、プリントをしてくれる人、縫製をしてくれる人など、信頼できるパートナーを探し、お願いすることにしました。
やがて、そのパートナーたちが新しい出会いを運んでくれ、そこから新たなプロジェクトが生まれることもありました。自分一人でTシャツを作っていたら、新たな出会いやプロジェクトも生まれていなかったと思います。
こうした経験を通して、ANNCLOが犬好きのアーティストや職人、アパレルの技術者、あるいは保護犬活動に関わる人たちをつなぐプラットフォームのひとつになれたらという想いが生まれました。
自分の役割は、ものを作ることではなく、場を整えることだと思っています。
ANNCLOをプラットフォームとして、これからどんなプロジェクトが生まれるのか、今から楽しみにしています。
今後は、一つひとつの新たな出会いを大切にしながら、自分自身が楽しむことも忘れずに、無理のない形で続けていけたらと思っています。
ANNCLOを、選んでくれた人、関わってくれた人と一緒に育てていくブランドにしたいと思っています。
今後ともよろしくお願いします。